2018-01-01から1年間の記事一覧
人類史上、最も人権を蹂躙した体制は全体主義(=ファシズム)体制である。戦後日本でも大日本帝国の全体主義に関心が持たれ研究が進められた。 全体主義は「右翼全体主義=ファシズム」「左翼全体主義=コミュニズム」に分けられ、日本では「右翼全体主義=…
臨時国会が始まり、改憲論議が活発になることは確実視されている。そして立憲民主党を始めとした野党各党が改憲論に反対するため「立憲主義」が殊更、強調されることは間違いない。「権力を縛るのが憲法である」というやつである。 立憲民主党支持者が書いた…
シリアで3年間に渡って人質になっていた安田純平氏が解放された。そしてこの安田氏を巡り議論を白熱している。大手マスコミの論調を雑駁に論ずれば安田氏に対し「自己責任」と批判する言説を批判する意見が主流である。いわゆる「自己責任批判」であり、2004…
休日に街を散策していると時折、街宣車に乗った右翼団体が駅前で演説しているのに出くわす。内容は「北方領土を返還しろ」とか「日教組解体」とかである。毎回毎回、同じ主張を繰り返しているがこれらの主張は実現していない。それは日本政府の責任でもある…
現在の若者は活字を読まない。活字を読むのは高齢者であり、特に政治・思想系の活字は高齢者が圧倒的と言われている。若者は読書をしないことは嘆かわしいことだが、一方で彼(女)らが政治・思想系の読書を避けるのは難解さもあるがその実用性だろう。 「社会…
戦後日本では憲法9条を守ることが平和に繋がると言う「平和主義」は「空想的平和主義」と評された。もちろんこの表現は侮蔑的意味を含んでいる。 もう少しマイルドな表現としては「理想主義」が挙げられる。この「理想主義」の対義語は「現実主義」であり、…
日本の政治文化の特徴として「権力の分立」が挙げられ、それは大日本帝国時代においても確認される。内閣総理大臣は「同輩中の首席」に過ぎず、各国務大臣は個別責任だった。またその責任も天皇に対して負うだけだった。 日本国憲法では内閣総理大臣に国務大…
日本型リベラルは例外なく護憲派だが、彼(女)らの憲法解釈論を読む限り、その目標は日本国憲法を守るというよりも、その運用を通じて日本から「日本的要素」を可能な限り排除することである。 だから国旗、国歌など「日本」「日本人」を意識させる物は徹底的…
日本の歴史の大部分において「外国」と言えば観念において中国、朝鮮、インドであったが、実際に日本に影響を与えたのはやはり中国、朝鮮である。 中国の歴代王朝は基本的に海洋には進出せず大陸の経済活動には満足し、また安全保障の関心は常に北方の遊牧民…
戦後日本でイデオロギー闘争が低調になってどのくらいになるのかわからないが冷戦終結が一つの起点になっているのは間違いない。イデオロギー闘争は例えば経済や福祉の分野では主流にならないが憲法、安全保障の分野では依然、幅を利かせている。 それは言う…
安倍政権が内閣改造を行い新大臣たる柴山文部科学大臣が記者から教育勅語に関する質問を受けて「現代風に解釈され、あるいはアレンジした形で、道徳などに使うことができる分野というのは十分にある。普遍性をもっている部分がみてとれる」と発言しちょっと…
集団的自衛権の限定行使を認めた、いわゆる「安保法制」が国会で可決されて3年、施行されて2年半あまりが経過した。 反対派が主張したように安保法制可決後、これが起因となり日本が「戦争に巻き込まれた」という事案は発生していない。 むしろ北朝鮮情勢を…
安倍首相は第一次政権の時に「戦後レジームからの脱却」を提唱した。「戦後レジーム」が具体的にどのようなものかは説明されていないが日本国憲法がその中核に含まれているのは間違いなく、「脱却」には当然、日本国憲法の改正が含まれている。 また「戦後」…
いわゆる「左翼」をより大きい視点で表現すればそれは「進歩」である。過去に世界を席巻した共産主義もまた「進歩」である。左翼の本質は「進歩」派であり、現状の変革を目指す。これを日本に充てはまれば左翼の関心は日本の「遅れ」「歪み」と言った部分で…
日本型リベラルの最近の関心テーマとして「ヘイトスピーチ規制」が挙げられる。 インターネットの発展に伴い言論空間は著しく拡大した。それに伴い常人ならば目を向けたくなるような表現も大幅に増加した。 ネット上には在日コリアンへの悪罵があふれており…
日本型リベラルの特徴は「リベラルな社会」を建設することではなく「リベラルの敵」を攻撃することであり、そこから「責任と現実の積極的無視」という性格が確認できる。 実際、日本型リベラルに対する批判はその内容よりも振る舞いの方が大きいのではないだ…
日本型リベラルが世界のリベラルとは似て非になる存在であることはよく指摘される。 日本型リベラルは戦後日本に「大日本帝国の実在」を嗅ぎ取り、それへの「抵抗」「対決」を主張する。その手法はもっぱら「院外運動」であり好まれるのはデモである。一方で…
日本型リベラルが好んで行うことは社会を諸集団に分類することであり、分類するにあたって重視されるのは「加害者/被害者」「強者/弱者」「抑圧者/犠牲者」といった対立軸である。そして当然のように両者の対立・衝突を煽動する。 日本型リベラルは「被害者…
現在、日本型リベラルへの対策が急がれるが、それについて語る前に日本近現代史における左翼対策について概観したい。戦前の「左翼対策」は言うまでもなく「日本共産党対策」が主軸であり、治安維持法に代表される各種治安立法を駆使し文字通り壊滅させた。…
「立憲主義を取り戻す」がリベラル・護憲派の中で依然、強い言説を持っているが筆者はこれに反対する立場である。 リベラル・護憲派が主張する「立憲主義」に基づき制限される「権力」には「国民の代表者」という性質は含まれていない。 最近、立憲民主党所…
憲法改正の議論をすると高確率で「戦後民主主義」という言葉で出合う。 日本型リベラルの理解では「改憲=戦後民主主義の解体」であり、それは日本から自由・民主主義体制が消滅することであり、もっと言えば「大日本帝国の復活」である。 「戦後民主主義」…
現在、護憲派の間では「立憲主義を守る」が大流行である。安倍内閣による集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈変更の閣議決定以来、「立憲主義」は知識層ではもちろん一般層にも広がったように見える。 護憲派によると「立憲主義」とは「権力を縛る」こと…
自由民主党の杉田水脈氏が新潮45で「LGBT」について論じ、その文中で「生産性がない」と評したことについて波紋を呼んでいる。「LGBT対するヘイトスピーチである」といった具合でLGBT支援団体などが自民党本部前で抗議集会を開催し杉田氏の議員辞職すら求…
日本のリベラルの特徴はリベラルな社会を建設することでなく「敵」を設定、攻撃することで自己正当化を図る勢力に過ぎないことは既に指摘した。 そして日本のリベラルがこのような存在になった原因として ・進歩主義 ・責任ある立場を回避 ・公開討論を避け…
昨年以来、世間では様々な「ジャーナリスト」が話題になっている。最も有名なのは東京新聞所属の望月 衣塑子氏だろう。 昨年、8月末に北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した際に彼女は菅官房長官に対し「日韓合同軍事演習を続けていることが金委員長のI…
白井聡が示した「戦後日本の核心」と評される「永続敗戦論」であるが今回はこれについて更に進んで検証したい。 白井は戦後日本の特徴を「対米従属」と定義し、その根底には「欧米人に対するコンプレックス(劣等感)とアジア諸民族に対するレイシズム」があ…
今回は急遽、予定を変えて世間を賑わせている「財務省事務次官セクハラ疑惑」について述べたい。 世間は「財務省事務次官セクハラ疑惑」で揺れている。財務省の福田事務次官がテレビ朝日所属の女性記者に「セクハラ」を行ったのではないかという疑惑があり、…
前回の記事で白井の日米同盟観を批判した。そして今回は白井の「戦後日本観」について論じたい。 白井は戦後の日本人が「欧米人に対するコンプレックス(劣等感)とアジア諸民族に対するレイシズム」を有していると評価する。これに基づき戦後の日本人は日米…
日本のリベラルの特徴は「リベラルな社会」を構想することではなく「リベラルの敵」を攻撃することである。リベラルは「弱者」とか「被害者」に関心を寄せるが、これらあの人々を救済する手段は考えず、その「敵」に着目する。リベラルは「弱者の敵」「被害…
現在「立憲主義を取り戻す」がリベラル派界隈では最大の政治スローガンになっている。野党第一党たる立憲民主党もこれを意識してか「立憲主義を回復させます」を最大の公約にしている。 この「立憲主義を取り戻す」をスローガンにリベラル派は結束し安倍政権…